松坂屋のたとう紙

十月末日となり、そろそろ柔らかものや羽織りに気が向くようになってきました。
先日、頂いた古い松坂屋のたとう紙の着物に袖を通しました。

絹の心地よさに包まれました。
昔の絹はとろんとして柔らく、気持ちが女らしくなるようです。
昔の絹といっても、頂いた着物はほとんど松坂屋のたとう紙に入っていましたから、生地のよいものがみてわかります。
縮緬は、細工ものを作る方が欲しがりそうなよい風合いのものでした。
先日着た着物の八掛けにも縮緬がつけてあり、足の裁きの柔らかいこと!
今どきの着物の硬さは、糸の違いなのでしょう。

その昔、一流の名古屋好みといえば、松坂屋の呉服売り場だと伺いました。
いまではその当時の面影もなく、それを語る人もおらず、名古屋好みがわからなくなりました。
京都のお召で有名な会社の偉い方に、それとなく名古屋好みを尋ねてみました。
「本流を好む」と一言。
そのような売り場をお客様の立場で覗いてみたかったなぁと、たとう紙をみて、叶わないことを思ってみたりしてしまいました。

頂いた着物の持ち主は、母の同級生の姑さんのもの。
明治の終わりか大正の初めの生まれくらいの方でしょうか。
娘さんが二人いらっしゃると聞き、必然的に帯や紬類はすべてそちらにいったのでしょう。
母の同級生は嫁ですから、その残りがやってきたのだけれど処分に困り、私が着物を着ていることを知り、いただけることになったのです。感謝します。

年齢を重ねてから着物が多く、渋いものばかり。
流石に渋すぎでしょ!というものもあり7枚くらい、寸法が同じ60代の方に着ていただく様にお渡ししました。順おくりで、まずその方が着て、私がその年頃になったら着て、その後はその方の娘さんに着てもらうことにしました。
掘り出し物は、江戸小紋。渋い縮緬地の色留袖など。

昔の人にしては体格が大きかったのでしょう。
直さなくても着られることが何よりでした。
おまけに綺麗な袖無双の胴抜き長襦袢があって、裄や袖丈を気にせずそのまま着物に合わせることができたのも有り難かったことです。これはきっと最後の方で新しく作ったものでしょう。

20131028 002


ひとつ気になることがあります。
襟の内側に、爪楊枝が挿してあるのです。
何か意味があるのかしら?おまじない?
こちらは、まだ袖の通してない着物です。
たしか、先日着た着物にも挿してあり、何だろうと思い抜いて着ました。
ご存知の方がみえましたら、ぜひ教えてくださいませ。

20131028 001


箪笥の中のたとう紙が一つの店で統一されているのがよろしいとされ、あちこちの店のたとう紙が入った箪笥はよろしくないと、聞いたことがあります。
今では、そんなことを言っても難しい時代になってしまいました。
長年お付き合いのあった店が閉めてしまって困ってるのよ!と言うお話をよく耳にしますから。
それは、それは、古きよき時代の話になってしまいました。

これからの着物はどんな風に変ってゆくのでしょう。
道具がなくなり、糸がなくなり、加工ができなくなり、作られなくなっていくものがどんどん多くなっていくようです。
その反面、プリントの技術の進歩やや、糊伏せをしなくて済む染料が出てきたり、工夫はされているのです。

色々なことの変化が早いこの時代に、どのように生きていくか問われます。
着物を着て過ごすことはブレてないけれど、昔の着物に触れて、何か大切なことを忘れていないかと振り返ってみる事もあっていいと想うのです。

頂いた中でも一番古い、松坂屋のたとう紙。
形見分けなのか、持ち主と違うお名前でした。

20131028 003


11月1日(金)~3日(日)まで、午前11時15分から、松坂屋本館八階「俵屋」に居ります。






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Date: 2013.10.31
Category: 着物まわり
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