「持ち」と「乗り」

車好きの方とお話をした時のことです。
「持ち」と「乗り」という言葉が、着物にもぴったり通じることがわかり、共感しました。

文字通り、「持ち」とは、所有していること。
ガレージに何台かの車を並べていたり、高級車を持っていても運転にはあまり興味がないとか。
また、一生かかっても着ることが出来ないの着物や帯をお持ちの方や、コレクションをするのが好きな方など。

そして、「乗り」とは、乗りこなしていること。
着物では、着心地を楽しみ味わいながら、着こなすことです。
懐具合にもよりますが、それぞれの楽しみ方、味わい方がありますね。

201502.jpg

私の場合、結城紬を手に入れて初めて着たときは、少し手ごわくて、身分不相応のものに手を出してしまったかしらと思いましたが、だんだんと着ていくうちに、こなれていくということがわかり、嬉しく愛おしく想えたこと。
伊兵衛織も、これまた清水の舞台どころではなかったのですが、手に入れたことで、伊兵衛織を通じで素敵な方々とお話することが出来て、着物の輪が広がり、今では「伊兵衛の会」を楽しみにしてくださっています。その中でも艶が出てくるまで伊兵衛織りを着込んでいるのは、私くらいです。(マダムたちは何枚もお持ちだからね。)
どちらも、少し背伸びをして手に入れたので、着物に負けないように相応しく着こなせる自分になろうと、袖を通すたびに想いました。少しは近づけたのでしょうか。

大島紬も、牛首紬も、塩沢も、それぞれの着心地の味わいがあります。
まだまだ他にもある紬はもちろん、柔らかものも、生地により肌あたりが違うことも、わかる範囲ですが知りました。
今も、全国の織物を身に纏ってみたいという野望はありますが、なかなか懐と折り合いがつかない日々です。
すべてのことは、着物の神様に託してあるので、後は降ってくるのを待つのみです。

さて、車好きは、私が着物の着心地を味わうように、車を乗りこなすのだそうです。
こちらの詳しいことはわかりませんが、アクセルを踏み込んだ時の感じ、カーブの曲がり具合、ハンドリングなどなど、体で感じながら楽しむことが沢山あるのでしょう。

どちらも好きには変わりはありませんが、あなたは「持ち」ですか?それとも「乗り」でしょうか?

今、「ながもち屋」の仕事をしていますと、「持ち」の方の着物にたくさん出会います。
<預けて嬉しいながもち屋>ですから、お預けに持ってみえるのですが、一度も袖を通してない着物や帯も多くあります。
展示会で買って、そのまま箪笥に眠らせてままだったとか。
着物を買うことが楽しかったのかもしれませんね。
高齢になられて、息子に捨てられるくらいなら、着物がわかる方の元へと思い立ち、足を運んでくださる方もいらっしゃいます。娘さんがいらしても話が通じないから、着物のことをわかる方と話が出来て良かったと言われる方も何人もいらっしゃいます。

一方、「乗り」の方は、アンティークが好き、柔らかものが好き、作家ものが好き、普段に気軽に着ることが好き、上質な布が好き、私と同じように色々な紬を着こなしたいとか、色々な好みがあります。
車も、好みのものを「乗り」こなしたいのと同じですね。

「持ち」から「乗り」へ、そのような橋渡しの役目をする仕事だと思いながら、お店に出ております。

一度も袖を通していなかった訪問着を手に入れて、その着物を着て出かけられた帰りにお店に立ち寄ってくださいました。
寸法がぴったりで、通りすがりに3人の知らない方にお声かけされたそうです。
それくらい素敵に着こなされていたのです。
着物もやっと日の目をみることが出来て、喜んでいるに違いありません。



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Date: 2015.02.25
Category: 出来事
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